私が現在使用しているヴァイオリンです。

イタリア製、ファニオラです。

演奏家にとって、楽器との出会いは女性との出会いににているような気がします。(女性の演奏家ならば男性!?)なかなか一緒にやっていける楽器に巡り会う事は出来ません。この楽器は最近突然、出会うことの出来た楽器です。この楽器とは長く付き合えるような気がします。

2000.1020

楽器を一度開けて見たら、オリジナルのバスバーが入っていたようです。ファニオラのオリジナルのバスバーはとても短く小さい物で、現代の演奏には多少力が足りないところがあります。オリジナルを良しとするようなコレクターでしたらともかく、私はこの楽器の性能いっぱいを出したいと想い、現代風の大きな物と換えて貰いました。結果、もの凄く良くなりました。楽器の反応も、ひいた感触(あたり)もハッキリしたし、かなり納得できる状態になりました。楽器は一度大きな修理をすると落ち着くまでに時間がかかりますので、しばらく真面目に弾こうかと思っています。(いつも真面目に弾いていますけど・・)

2000.6.24

楽器の調子がだいぶ良くなってきましたが、今一つの所で音が詰まってしまいます。楽器屋さんとも相談したのですが、一度、表板・裏板ともあけて付け直してみようかと言うことになりました。勿論同時にではないですよ!バラバラになっちゃう!それだけで楽器のテンションが上がるようです。

後から聞いたのですが、この楽器には証明書が付いていました。楽器のラベルには、Pressenda(プレッセンダ)としか入っていなく、Fagnola(ファニオラ)のラベルは剥がされてしまった楽器なのでちょっと嬉しい気がしました。どこかでファニオラの本物のラベルの真っ赤な偽物が出来たのかもしれません・・・。そういう楽器を、「安くファニオラが買えた!」みたいに買ってしまう人もいるのです!偽物を買ったので有れば高い買い物をしたともいえます。私が以前から思っているのは、良い楽器を安く買おうとするところに間違えがあるような気がするのです。

○良い楽器は必ず高い!
当然、仕入れる値段があって、そこに楽器屋さんの儲けがあって・・・。

○安い楽器には必ずそれなりの理由がある!
仮に本物で有れば、傷の有無(魂柱の真上や真下に割れ傷は致命傷)やコンディション等。楽器屋さんが仕入れ値を割ってまで売る理由がない。つまり売値よりも安い値段で仕入れていると言うことです。ボランティアじゃないんだから当たり前ですが・・・。

結局は信頼の置ける楽器屋さんと長く付き合うのが基本でしょう。私がお付き合いしている楽器屋さんもいきなり行って楽器を見せてくれと言ってもなかなか本気で良い物は出して来ないと思います。少なくとも誰かに紹介してもらうなどしないと、良い物にはなかなかお目にかかれないと思います。

もう一つ!良い楽器は必ずしも何百万円もするとは限らないと言うことです。2〜3万と言うわけには行かないと思いますが、100万円以下の楽器でも良い楽器はあります。勿論駄目な楽器もあります。よく古い楽器が良いと思っている方もいますが、古くても良くない楽器もたくさんあります。ただ古いだけの楽器であればむしろ正しい形(フォーム)をした比較的新しい楽器を使った方が、将来正しい楽器に進んで行くと思います。古い楽器は耳あたりが良いので一見良く感じるのですが、これに惑わされないようにしたいですね。

さらにもう一つ!!良い楽器に限ってなかなか鳴ってくれません。つまり鳴らす為の技術が必要となり、その為に演奏する人間が努力するのです。よく「道具が教えてくれる」と言うのですが、まさに良い楽器はそういう事が多いのです。以前、その楽器屋さんでストラディヴァリウスを弾かせてもらったことがあるのですが、ストラディヴァリウスは音程がぴったり合っていないと全く鳴らない。合うと信じられないぐらい楽器が勝手に鳴る。「この楽器を使えば間違いなく上手くなる!」とその時思いました。